やっかいな傷
前項で簡単な傷の補修について説明しましたが、条件によっては傷の補修が難しくなる場合もあります。
例えば、フローリング材の色が明るくなると、傷の直し方もだんだんと難しくなっていくということで、こうした傷直しの職人さんでも、フローリングに限らず木材の色は濃いほうが安易で、薄くなるほど難しいと言います。
又、フローリングには艶ありと艶なしがありますが、艶は無い方がやりやすく、艶がある程難しくなるともされているようです。
例えば、透明な塗料(クリアー材)を塗ったフローリングです。軽い擦り傷など、表面の透明なクリア塗料だけが傷ついた場合なら、クリアやワックスでなぞるだけでも傷が目立たなくなりますが、塗料の下の木材部分がえぐれてしまっている場合は、水気のあるもので拭いても傷は消えませんし、難易度がぐっと上がることになります。
このレベルあたりがプロに依頼するかどうかの境目ということで、これを目立たなくできる傷直し職人は、バイトではなく本職のプロのようです。
色が濃いとやりやすいと言いましたが、黒の床などは例外のようです。黒は色こそ濃いのですが、真っ黒の塗料で木目が見えないフローリングは、柄のない単色となるので、シビアな色合わせが難しくなるとのことです。つまり柄の無いものは、目立たなくしづらいわけです。